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金属アレルギー

せっかくお気に入りのジュエリーをつけているのに、なぜかかゆい……。
赤く炎症を起こしてしまう。
それが金属アレルギーの症状です。

しかしなぜ、金属アレルギーは起きてしまうのでしょう?
治すことはできるのでしょうか?

ジュエリーを扱うプロとして、金属アレルギーとは何か、どう対処すべきか、お話してまいります。
 


 

■金属アレルギーって何?

人の体内には、カルシウムやカリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など多数の金属元素が含まれています。
まず、このことを覚えておいてください。
そして、ジュエリーについている金属の一部は、汗や体液でわずかながら溶けます。
溶けた=イオン化した金属は体内に入ります。
その後、次に同じ金属が接触すると免疫のはたらきで異物だと記憶され、拒絶反応を起こします。
かゆみ、赤みなど、皮膚がかぶれる状態(アレルギー性接触皮膚炎)となり、この症状を金属アレルギーといいます。

冬場は特に感じないのに、夏になったらイヤリングをつけている耳たぶが赤くなっている。ネックレスをつけると、首元にかゆみが……など、汗をかくシーズンに自覚する人も多いものです。

とくに症状がおきやすいとされているのは、ピアスです。
ピアスは皮膚に直接穴をあけるため、より接触部分と反応を起こしやすいというわけです。

「私は今までもそんな経験がないから、大丈夫」という方もいるでしょうが、実は間違い。
金属アレルギーは、今まで症状が表れなかった人も、ある日突然表れることも……。
しかもその症状は数年から数十年、ひどい場合には一生の間治らないもある厄介な病気なのです。


 

■どうして金属アレルギーが起こるの?

金属は、体にとって異物です。
体が異物を認識し、次回の侵入を防ぐために記憶されることを感作(かんさ)といいます。

一度感作されると、金属アレルギーは長期間持続します。
つまり、金属アレルギー自体は治療することができません。
また金属アレルギー症状は、通常は6〜48時間の間に反応しますが、時には数日後ということもあります。

さて、金属アレルギーは誰でも発症するものではありません。
身につけた金属とつけている人の条件で、発症の有無や症状の深刻さは異なります。

金属のほうを考えると、溶け出しやすい金属かどうかが一番のポイントになります。
ニッケルやコバルトなどの低品度とされるものほど、トラブルを引き起こしやすいといわれます。

昭和62年、東京都済生会中央病院皮膚科で金属パッチテストを274人の患者さんに行った結果によると、アレルギーの頻度のいちばん高かった金属として、水銀。
次にニッケル、コバルト、スズ、パラジウムの順でした。
アクセサリーによく使われるものとして考えると、ニッケルが要注意となりますね。

目を転じて、ジュエリーをつける人間のほうから考えると、その金属に触れる頻度が問題になります。
最初の接触により感作が起こる場合も人もいますが、繰り返しジュエリーをつけることでだんだんと、金属アレルギーの発症が近づく……ということも考えられます。

また、金属に触れる条件も見逃せません。
汗をかく夏は、どうしても発症しやすくなります。
となると、汗のかきやすい人かきにくい人、またいわゆる皮膚が薄くデリケートな人のほうが、どうしてもなりやすいともいえます。


 

■金属ごとの症状は?

私たちが身につけるジュエリーは、一種類の金属だけで作られているものはほとんどありません。
純金属そのままのものは少なく、たいていは合金で、あるいはその上にメッキ加工を行っています。
そして、どんな金属でもアレルギーを起こす可能性があるのです。

特に、金属アレルギーを起こしやすいとされ、ジュエリーでよく使う金属は以下です。

ニッケル/コバルト/クロム
亜鉛/マンガン/胴
銀/プラチナ/金
チタン

※上に行くほどアレルギーを起こしやすい


▼ニッケル
女性のアレルギー性接触皮膚炎の原因の第一位といわれています。
汗の中の塩素イオンは、ニッケルを溶かす作用が強力。
過去にニッケルアレルギーにかかった人は、少量の汗でもニッケルに触れただけでも皮膚炎を起こすケースがあります。
さらにニッケルは、接触した部分だけでないのがやっかい。
血液に運ばれて、汗の多い場所に湿疹を出すこともあります。
アクセサリーには金メッキ仕上げが行われることが多いですね。
これらの下地にはニッケル・メッキがよく利用されています。
金メッキが傷ついたり磨耗した場合は、ニッケルが溶け出す場合もあるのを覚えておきましょう。

▼コバルト
ニッケルと近縁関係にある金属。
ニッケルと同じ反応を示します。

▼クロム
時計の革バンドやゴルフの革手袋をつけたら、かゆくなってしまった……。
このときの原因は、クロムであることが多いのです。
革製品をなめす過程で、六価クロムを用いられる場合は、よくあること。
このクロムが原因で、汗の多い部分や特別にそれと摩擦の多い部分で、湿疹を出すのです。

▼金
金は、溶けにくい金属。
普通に皮膚に接触するくらいでは、アレルギーは起こりにくいのです。
しかし、ピアスとなれば、話は別。
金による金属アレルギーもよくみられます。

そのほか、合金の金属アレルギーをご紹介しましょう。

 
◆18金イエローゴールド
 金75%+シルバー15%前後+銅10%前後
 特に銅に対してアレルギーのある方は要注意。
  
 
◆18金ピンクゴールドの場合
 金75%+シルバー10%前後+銅5%前後+パラジウム5%前後+微量の亜鉛など
 金自体でアレルギーとなることはまれですが、ほかの金属に対するアレルギーの方は要注意。

 
◆18金ホワイトゴールド(国産)
 金75%+シルバー15%前後+パラジウム10%前後
 パラジウムに対してのアレルギーに注意しましょう。 
 また数は少ないものの、ロジウムに対するアレルギーも時に見られます。

 
◆14金ホワイトゴールド
 ・ ニッケル系
 金58.5%+シルバー17〜26%前後+亜鉛0.5〜7.5%前後+ニッケル10〜17%前後
 ・パラジウム系
 金58.5%+シルバー18.5〜29.5%前後+パラジウム10〜20%前後+ニッケル8〜30%前後
 アレルゲンになりやすいニッケルを含む点から、金属アレルギーを起こす方もいるようです。


 

■検査や治療法は?

金属アレルギーかどうか調べるのは、まず皮膚科でパッチテストという検査をします。
金属試薬をつけたテープを背中や腕に48時間貼付し、48、72時間後、1週間後の皮膚の反応をみて、アレルゲン(何に反応しているのか)を特定します。
検査薬は、金、銀、ニッケル、クロム、コバルトなど。
費用は、保険適用が可能なため、3割負担の人は700円程度で調べられるようです。

アレルゲンが特定されたら、それに対して同治療を行うか、必ず医師と十分相談してください。
また、皮膚症状を抑える方策として、ステロイドの外用、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服、発疹が全身に及ぶなら、ステロイドの内服が検討されることもあります。


 

■予防する方法は?

▼アレルゲンの金属を身につけない
パッチテストなどによって、アレルゲンが特定できたなら、その金属は遠ざけるのが一番。
そのほか、汗をかきやすい夏場は金属のアクセサリーは身につけないほうが無難でしょう。

▼ピアスをするときは清潔さと素材に注意
常にピアスをしている人は、清潔を心がけましょう。
しかし、清潔と消毒は違います。
消毒しすぎ(特にアルコールなどの強い消毒液)でかぶれを起こし、さらに悪化させてしまう場合が見られます。
またチタンなど、金属アレルギーになりにくいものを選ぶといいですね。
さらに、ピアス・ポストの長さも重要。
耳たぶの厚い人がポストの短いもの(耳に入っている部分の長さが6ミリ以下のもの)を着けていると、耳たぶを常に圧迫。これが、アレルギーを引き起こす原因となるケースも。

▼アクセサリーとは短めに、清潔に付き合う
アクセサリーはなるべく長時間はつけず、汗をかいたらこまめにはずしましょう。
金属に接触する皮膚は、よく洗って清潔に。

       

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